上級国民に憧れる下級国民の会

情弱な下級国民同士で生存の為の知恵を共有していきます。

遅刻した警備員の末路 下級国民警備員録

今回は遅刻した警備員がどうなるのかという話でもしていきましょうか。

警備業界において絶対に許されないもの。それは遅刻、当日欠勤、バックれです。人をぶん殴っても許される警備業界でもこれだけは許されません。派遣業という性質上、どんなにアンポンタンでも人数だけは絶対に揃えなければいけないので、これらの行為が他の業界以上に厳しい目で見られるというわけです。

あの日は大規模な土木工事の現場でした。良くある通行止めの現場です。会長はその現場は新規でした。そこでたまたま僻地で一緒にやってたNさんと会って新規を書きながら色々と話しをしました。半年ぶりくらいに会って何だかとても懐かしくて嬉しかったです。やっぱりこういうのがあるのが派遣業たるの警備員の面白いところです。

会長達が新規を書き終わって準備を終えた後に急に騒がしくなってきました。どうやら一人警備員が足りないというのです。しかも連絡がつかないというのでこれまたスリリングな状況です。「おっバックれか?」と会長が思わぬ野次馬根性を働かせてしまいました。

そのあと隊長に連れられて朝礼を始めました。朝礼で監督から「2週間前にガードマンさんの一人が車に轢かれました。そのまま大怪我をして救急車に運ばれて、一命は取り留めましたが障害を負ったそうです。車も前を一切見ずに運転していて、そういう運転手に轢かれてしまいました。そういう車両がいっぱいいます。体張って止めなくても大丈夫です。危険だと思ったらすぐに逃げてください。ガードマンさんの命が一番大切ですから」という話がありました。

危険な仕事だとは思っていましたが、こう身内から怪我人が出るとやるせないですよね。次は自分の番じゃないかという気がしてきます。

そんな感じで朝礼は終わりましたが、まだ最後の一人は来ません。もう集合時間どころか開始時間から30分くらい経っているのですが。隊長も露骨に焦り出します。

そのまま新規が始まって、さっきの事故やヤバめのクレーマーが店長の店が近くにあるので絶対に近づかないこと。そんなことを色々と教えてもらいました。

新規が終わってみんなで看板を持って出かけようとしたタイミングで、何食わぬ顔で見知らぬ警備員が入ってきました。あまりにも堂々としすぎていて最初からそこにいたかのような錯覚すら覚えます。

が、もちろん「ん?こんな人いたっけ?」となりました。当然ですよね。「遅刻してきたの?」という質問に何の脈絡もなく突然「俺39歳なんで、この中では一番若者ですね」と言い出して今でも印象に残っています。39ってそこまで若者では無いような気もしますが世間的にはどうなんでしょう。そのあと隊長にとっ捕まって一人で新規を受けていました。集合時間から1時間半くらい遅刻したのでこの時点で出禁は固いような気もします。

その遅刻した警備員が新規を受けている間に、みんなで看板を運んで設置したりしました。その時に常勤の人から「あそこのお店、雑貨屋みたいなところ。あれがさっき監督の言ってたクレーマーの店ね。頭のおかしい人がやってて脅迫沙汰になってるから、休憩時間とかにも絶対に行かないようにね。」と言われました。

まあそれで車両が来て通行止め開始です。会長はよりにもよって、前に監督が言っていた轢かれた人のポジションだったのは運のツキというかなんというかですね。

そのあとは普通に通行止めをやっていたんですが、そこでおかしなものを見ました。クレーマーの雑貨屋に遅刻してきた警備員の人が吸い込まれていったんですよ。「あれ?あそこの店って入ったらダメなんじゃ?気のせいかな」と思ってスルーしてしまいましたが気のせいではありません。

遅刻した警備員が店から出てきた後に、隊長にとっ捕まって二人でどこかに消えていきました。その30分後くらいでしょうか。隊長から無線がきました。(下の写真はその時の無線機)

遅刻してきた警備員いたと思いますが、あの人は監督に話して帰って貰いました。さっき入っちゃだめと言われていた店にトイレを借りに行ったそうです。だいたい遅刻しておいて何様のつもりでしょうね。みなさんもこういうことはしないでくださいね。」と言ってました。

会長個人としてはこっそり出禁にするくらいならともかく、別に追い返す必要はないと思いましたが。警備業界には人を蹴り飛ばしたり、胸ぐら掴んだり、ぶん殴って回っているような人がゴロゴロいますからそれに比べればマシだとおもいますし。まあ業界基準だと暴行事件起こすより遅刻の方が重いやらかしと捉えられるのでしょうがないですね。

そのあとは一人居なくなった関係でポジション変更になり、会長は通行止めから休憩回しに変更になったりもしました。まあ新規にはそこまで重要な役など最初からやらせないのでやることはあんまり変わらないですね。

昼にNさんと一緒に昼食を食べて、食後に柿ピーを一緒に食べながら色々と話をしました。遅刻してきた人の話や、昔の現場の話、借金取りに追われて蒸発した警備員の話など本当にいろいろと。

午後は特に何かが起きることもなく終わりました。看板を片付けている時に常勤の人と隊長は「本当、遅刻してきた奴のせいで最悪だったね。あいつに振り回された一日だったわ。あいつ多分干されるだろうな。」と口を揃えていました。

なんだか遅刻した警備員の人が少しかわいそうに思えてしまいました。それと同時にもしかしたらあの人は発達障害だったんだろうなと思います。多分病院には行ってないとおもいますが…

遅刻してきた彼だけではなく、警備員にはそういう人達がいっぱいいました。会長やNさんもドロップアウト勢で社会に溶け込めなくて、辛い思いをいっぱいしてきました。会長やNさんも世間では奇人ですが、ギリギリ周りと協調できるので警備員の中では普通の人扱いです。遅刻してきた彼は会長たち以上に誰からも理解さずに馬鹿にされて生きてきたんだと思います。この業界は社会から弾かれた人達の集まる不思議なところです。

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会長も発達障害グレーゾーンですが、そこまで症状が重くないのでギリギリなんとか生きれています。もうちょっと楽になりたいですが、そう簡単にはいかないですね。

 

 

 

 

 

 

前回のブコメ返し

旅するクロスカブさんブコメありがとうございます。確かに最近の安全靴では鉄心入りは減りましたね。安物以外は大体強化樹脂になりました。

ヌーソさんブコメありがとうございます。自分もあれみてました。あれではクロちゃんが可哀想ですが、確かに国産品の凄みと安心感を感じます。

ちえママさんブコメありがとうございます。そう言って頂けて何よりです。

テイルズさんブコメありがとうございます。会長が国産信者なのもありますが、やっぱり安全靴は国産品に限ります。

ハッチさんブコメありがとうございます。優しいと言っていただけて、嬉しいですがなんだかちょっと恥ずかしいです。

ウサピリカさんブコメありがとうございます。最近はセーフティーシューズみたいな、一見スニーカーにしか見えないような安全靴も出回ってますからね。

貯め代さんブコメありがとうございます。やっぱり日本製こそが至高です。