今回紹介する本はあの上級国民元谷外志雄(アパ夫)さんからも忖度されるほども上級国民作家百田尚樹さんの書いた小説「風の中のマリア」です。
この本はオオスズメバチの一生を描いた小説です。
蜂系下級国民(いわゆる働き蜂)である主人公マリアの帝国(蜂の巣)と上級国民蜂アストリッド(いわゆる女王蜂)への忖度とマリアの生涯を描いています。
要するにスズメバチの一生を追体験する物語ですね。
本作は二部構成になっています。
第一部 帝国の娘
1 疾風のマリア
2 生まれながらの戦士
3 初めての飛翔
4 恋
5 女王の物語
第二部 帝国の栄光
1 襲撃
2 見えない敵
3 宿命
4 死闘
5 旅立ち
エピローグ
という構成になっています。
この本を読んで思ったのは非常に百田さんらしい作品で、大変面白いと思いました。
特に百田小説ならではの良い部分が機能しており、大変テンポが早く読みやすいです。
これはスズメバチの一生が40日しかなく、40日で一生分の物語をやるからです。
先の展開も読みづらく最後まで飽きさせない様になっています。
あと読み終わった後の後味も素晴らしく、幸せな気持ちで読み終わることができます。
その為下級国民にも上級国民にもおすすめできる小説になっています。
ただ弱肉強食の自然界を舞台としているので敵味方双方のキャラクターが死にまくるので、会長はマリアとアストリッド以外は誰が誰だか分かりませんでした。
まあ読む分にはそこまで問題はないのですが。
そしてこの本を読んで驚いたのが、人間だけでなく、蜂でさえも忖度をするということです。
特に主人公マリアの上級国民蜂アストリッドへの忖度は凄まじく、下級国民の会会長ですら尊敬と忖度を感じずにはいられませんでした。
この本は蜂の専門家の監修が入っている結構きっちりした本なのですが(逆に百田さんの「モンスター」は高須克弥さんいわく整形知識がガバガバ見たいです)、下級国民から上級国民に対して行われる忖度とは遺伝子に刻まれた本能であるということがこれでもかと描写されています。
例えば下級国民の働き蜂(作中ではワーカーと呼ばれる)は上級国民の女王蜂が生きている内はフェロモンの関係で産卵が不可能であり、自らの子孫を残すことができないなどですね。
恐らくこれは人間も同様で、上級国民に対して忖度してしまうのは遺伝子レベルで刻まれた本能なのでしょうね。
言ってしまえば「遺伝子が忖度している」と言っても過言では無いと思います。
この「遺伝子の忖度」からは下級国民たちは一人たりとも逃れることは出来ないのかもしれません。
下級国民の会的推薦度(⭐️5つ評価)
上級国民の方なら⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
一般国民の方なら⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
下級国民の方なら⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
こちらの画像を押せば人間界の女王蜂であるアパ夫人のような上級国民になれるかもしれません。