今回は暴力沙汰なんてよくあることという話をしていこうと思います。
昔、入って3から4ヶ月くらいの時ですね。最初に暴行された時の話です。ヘルプで入った現場に、手が出ちゃうタイプのおじいちゃんがいたのです。そして会長はその人の面倒を押し付けられちゃったんですよね。その人は暴力の常習犯で他の隊員殴ったり蹴ったりしている人でした。色んな隊員に暴行して回っていたので、うちの会社では結構な有名人でした。
会長と仲のいい同期の人もそのおじいちゃん隊員に暴行されて大変だったみたいです。運が良くて逃れたみたいですが。その仲のいい同期の話は聞いていたのに、油断していたと言うか自分は暴行されないみたいな変な自信みたいなものがその時の会長にはありました。
朝礼後あたりに急にそのおじいちゃんに言いがかりをつけられて呼び出されて「防寒着を着るなんて、根性がなくてたるんでいる」と言われて、いきなり胸ぐら掴まれて上半身の制服を破かれました。
それを隊長に相談したら「会長さんさ、ちょっと暴力振るわれただけじゃん。こんなことでいちいち相談してこないでよ。こんなんで大騒ぎするんだったら、お前警備員向いてないんじゃないの」と言われました。
もうこんなこと言われちゃうと泣き寝入りするしか無いですよね。制服も引っ掛けて破れたと嘘をついて会社に変えてもらいました。そしておじいちゃん隊員の面倒(おじいちゃん隊員は新人いじめ大好き)をなすりつけられた訳です。一日中ゴマをすっていました。おかげで気を良くしたのか以降は何もされませんでした。まあ隊長は会長の変わり身にドン引きしていましたが。
後から聞いた話だと会長に暴力振るったおじいちゃん隊員は内勤にも同じようなことをして、管制と喧嘩になって辞めたらしいです。まあこのタイプの隊員には良くある話ですね。うちの業界は人を殴ってもクビにはなりませんが、人を殴るような人はどこかで内勤と揉めて大体辞めます。
まあこの事件のおかげというか、業界の洗礼を受けたおかげでヤバい隊員の見分け方や対処方法とかもある程度わかって色々と役に立ったので別に恨んではいません。隊長の「暴力を振るわれるのは警備員の仕事ではよくあることなので被害者が我慢するべき」という考え方も警備業界では良くある考えですしね。むしろ暴行された程度のことで取り乱す会長の方が業界では異常者です。
あまりにも多く起きる脅迫や恫喝、いじめなどを受けたり見たりしているうちに自分もその隊長と同じような考えになっていきました。ドライバーに恫喝されても10分経てば半分以上忘れていますし、「この仕事はクレームや脅迫はしょうがないよ。クレーム上等だね。」みたいなことを他の隊員が言っているのを聞いてある種の共感すら感じていました。
そんな時に入って数日の新人さんからドライバーに暴行されかけたことを相談されたのです。その時に「良くあることなので気にしないでください。この仕事は怒られるのが仕事ですから。とりあえず謝っておけば大丈夫ですよ。」と言ってしまいました。でもそうじゃないですよね。
だってその人から見ればいきなりドライバーが奇声を上げて殴りかかってくるなんて怖かったと思います。相談するのだって勇気が必要だったと思います。それを良くある話で済ませていい話ではなかったです。もっと真剣に聞くべきでした。
その現場は治安の悪い郊外の裏路地でやたらと治安が悪く会長含めて警備員はほぼ全員ドライバーから殴られかけたり恫喝されたりしましたが、心がすり減ってしまったのかみんな対して気にしてませんでした。なので取り乱している新人さんが現場で浮いてしまっている状態になってました。
その後に新人さんがまた別のドライバーに胸ぐらを掴まれかけて、通行止めのポジションから逃走して全然違う場所に隠れて現場から居なくなってしましました。そして後で隠れているところを隊長に見つかって連れ戻されてしまいました。その件で新人さんはまわりの隊員から「通行止めぐらいはちゃんとやってよ」と嫌味を言われていました。
自分が人に相談した時に一番されて嫌だったことを他の人にも同じようなことをしてしまいました。嫌なことをされた人間と同じような人間に気づけば自分がそうなっていました。
今でもまた「こんなことでいちいち相談してこないでよ」みたいなことを言われるんじゃないかとか思ってしまい、他人に相談することに抵抗感があります。もうちょっとだけ正直になれたらいいんですけどね。
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貯め代さん、ちえママさん、テイルズさんブコメありがとうございます。建築現場での窃盗は割とあるあるですね。自分も仲のいい隊長から貴重品は現場だとよく盗まれるから隠しておくように言われてました。
